2025/10/25 02:13

PRPDUCTSに新しくダイニングチェアを追加しました。
「わたしの身体に合う終(つい)の椅子を作ってください。」とご依頼を受けたのがきっかけで生まれた椅子です。より多くの人の日常に馴染んでいく普遍的な「わたしの椅子」を目指して作りました。幅広の三次元曲面の背当てが食事の姿勢を優しくサポートしてくれます。後脚の前に背当てが付いているので、斜に崩した姿勢でも背当てが滑らかに追従してくれます。また、素朴でどっしりとした佇まいは、日本人ならついやってしまう「椅子の上で胡坐をかく」という態度もおおらかに許容してくれます。
素材はヨーロピアンオークと牛革を使っています。材料の調達から仕上げまでを外部委託することなく、手仕事と機械加工を行き来しながらアトリエで一貫制作しています。牛革は銀スリ(表面を削って欠点を無くす加工)していないスムースレザーを使っています。自然素材である革本来のふっくらとした風合いを残すと同時に、虫に刺された痕やシワ、色ムラなども含んでいます。これまでトリミングされてきたいわゆる「欠点」も、「自然のゆらぎ」という視点で、いいと感じるものは積極的に採り入れるようにしています。木材についても同様で、ほくろのような小さな節や、木目に沿った「入り皮」や「樹脂溜り」なども、仕上がったときに「表情」と成り得るものは、入る場所を吟味しながら使っています。
