吉永製作所

2020/08/10 23:44

 製品一覧にヒノキのまな板を追加しました。肌理の細かい長崎産ヒノキ材を使っています。サイズは5種類で厚みは全て20㍉。軽くて扱い易い設計です。使用するヒノキ材は、抗菌作用のある油分を損なわないよう、工房内で2~3年じっくりと天然乾燥させています。1枚1枚手鉋で仕上げているので、滑らかで水切れの良い仕上りとなっています。

 まな板は、1枚で済ませるより2~3枚用意しておくと、より衛生的に調理ができるのでお勧めです。木製まな板の場合、食材の水分が染み込まないよう、あらかじめ水で濡らして使います。そのため、朝・昼・夕、毎日調理をしていると、どうしても乾ききらないうちに使いがちです。そこで、2~3枚をローテーションで使うと、常によく乾いたまな板を使うことができます。食材同士のにおい移りを防ぐため、肉用、野菜用、薬味用などと使い分けることもできます。
 木製まな板の中で、特にヒノキが優れている点は、抗菌成分を含んでいる他に、適度に柔らかいことが挙げられます。包丁の刃が長持ちするだけでなく、食材を切ったときに、腕へ伝わる反動が弱いため、身体への負担が少なくなります。いわゆる「刃当たりが良い」というのはこのとです。ここが、台所の必需品であるまな板選びの、最も大切なポイントだと思います。
 使い終わったら、20~30℃のぬるま湯で洗うと、乾きも速いのでお勧めです。シュロたわしと粗塩を使い、木目に沿ってこすると、細かい包丁キズに入り込んだ汚れも落ち易くなります。洗剤を使う場合は、台所用の中性洗剤をお勧めします。重曹やセスキ炭酸ソーダなど、アルカリ性の強い洗剤は、木が黒ずむので使用は避けます。熱湯をかけて消毒する場合は、汚れをきれいに落としきってから行います。タンパク質汚れは、熱で凝固するので、こびりついて落ちにくくなるからです。
 洗った後は、余分な水分をしっかりと拭き取ります。その後、風通しの良い場所で直射日光は避け、木目が垂直になるように立て掛けて乾かします。木製のまな板は、プラスチック製に比べて乾きにくいと思われがちですが、ポイントさえ押さえれば気持ち良く使うことができます。
 仕事もプライベートも、家庭の中で過ごすことが多くなり、これまで外食が多かった人も、自宅で自炊する機会が増えたと思います。檜舞台という言葉があるように、その清涼な素材感は食材が良く映えます。トントンとリズミカルに刻まれる木製ならではの音は、耳にも愉しいものです。ヒノキのまな板を使うことで、毎日の台所仕事が晴れやかになり、気持ちにゆとりが生まれることを願っています。